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2008年 07月 27日
洋楽にはあまりなじみがあるとはいえない。70年代後半から80年代にかけてはベストヒットUSA(小林克也氏司会の洋楽チャートTV番組)を毎週見ていた時期もあったが、それがピークだった。
そんな私が今回見たのは、70年代に登場し、わずか数年で解散したバンド、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカル、イアン・カーティスを描いた作品。彼についてもそのバンドについても全く知らなかったけれど、予告編で「絶対見たい」と思った。 イアン・カーティスは1956年、イギリスのマンチェスター生まれ。19歳にしてデボラと結婚、その後77年に最初のバンド「ワルシャワ」で音楽活動を開始、78年「ジョイ・ディヴィジョン」として初演奏する。79年には子供が誕生して父親となり、バンドの人気も急上昇していたが、80年5月に自殺した。享年23歳。 この映画の監督アントン・コービンは世界のロックシンガー達を撮りつづけたフォトグラファー。当初音楽関係の映画監督には関心がないと言っていた彼だが、イアンの妻デボラの著書「タッチング・フロム・ア・ディスタンス」の映画化を入念に準備してきたプロデューサー、オライアン・ウィリアムズからオファーで初監督を引き受けた。 この映画はモノクロ画像。なのに色を消している、といった感じの違和感が全くなく、とても自然に画面になじむことができる。そして一つ一つのシーンにメリハリがあって、鮮明で美しい。 "カッコイイ”という言葉を使うことはもう時代遅れな気もするのだが、敢えて言いたい。とにかくカッコイイ映画だ。 主演のイアンを演じるサム・ライリーは1980年生まれ。オーディションでイライジャ・ウッドやキリアン・マーフィ、ジュード・ロウらを抑えてこの役を手にしたそう。物憂げでナイーブで不器用なイアンの性格を、そこに立っているだけで表現しているところがすごい。シーンによってさまざまに印象が変わるので、目が釘付けになってしまう。寝転がってタバコを吸う姿、コートの襟を立て歩く姿、ステージ上で歌いながら激しく感情移入してゆく姿・・・どれにも。 バンドの人気上昇で仕事が多忙になり、同時期発症したてんかんの発作に怯えるイアン。そしてジャーナリスト、アニークと出会い、妻と彼女との板ばさみに。その末の若すぎる死― イアンの人生と彼の歌う歌詞のフレーズがシンクロし、哲学的な雰囲気さえ帯びて説得力満点。実際のイアン・カーティスを知らないので比較しようがないのに、サム・ライリーとイアンが分かちがたく一体化しているように思えてならない。 『CONTROL』2007年イギリス=アメリカ=オーストラリア=日本 監督:アントン・コービン 出演:サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ララ、ジョー・アンダーソンほか日本語字幕翻訳:松浦美奈 #
by hikoso
| 2008-07-27 23:11
| 映画
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2008年 07月 24日
①今日、仕事帰りにこんなの見つけました。
パック入りの杏仁豆腐500ml、お値段は特価で380円。パックのまま冷やし、よーく冷えたらパックを開き、お皿に出して包丁で切って食す、などの食べ方をするのだそうです。パンダのパッケージがかわいいでしょう?今晩冷やしてあした食べよう。製造者は岩手県の守山乳業さんです。今回の地震で被害はなかったでしょうか? ②ところで、おとといあまり暑いので、かき氷を食べに行きました。私が高校生の頃、部活帰りに毎日のように寄りこんでいた店です。夏の間はカキ氷とブロック氷だけを売っている氷専門店でカキ氷の種類は豊富、しかもお安いのです。 その日は娘と一緒に食べにゆき、二人でコーヒーミルクとグレープミルクを頼んだわけですが・・・・・ 違う!こういう味ではない!! 去年は食べに行かなかったのでいつからこうなってしまったのか分らない・・・何が違うって、シロップの量が違うんですよ!! 私の頼んだコーヒーミルク・・・上の方はコーヒーシロップがかかり、下の方に練乳ミルクがたまっているわけで、食べ進んでいくうちに真ん中辺りで二つの味が一緒になる。だからコーヒーミルクなわけですが・・・真ん中で二つが出会う前に、コーヒーミルクはすっかり私の口におさまってしまいました。がつがつ食べたわけではないですよ。真ん中でコーヒーミルクになる、ならせねばならないという分別くらい私にだってあります。なのにコーヒーシロップはすっかり終わってしまった。シロップの量が少ないんです!!♪こんなことは今までなかった(オフコース「秋の気配」のメロディです) 御託を並べましたが、そんなわけでがっかりし、新しいかき氷店を探さねばならぬと密かに思っている次第です。 ③ジェイ・チョウが舞台挨拶をするという『カンフー・ダンク!』公開記念ジェイ・チョウナイトのチケットが取れました。私の運が良いのか?それともジェイのイベントはおおむね問題なく取れる・・・のか??・・・当たったので答えは無用ですけど。 #
by hikoso
| 2008-07-24 19:43
| 日々のくらし
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2008年 07月 24日
映画の『GO』は公開当時話題になったので、だいぶ前にビデオで見た。柴崎コウの目力と、窪塚洋介のキレた感じ、そして地下鉄構内での衝撃的なシーンで、重い映画という印象が残った。金城一紀の作品には在日差別の問題が根底に流れているけれども、色調は決して暗くない。だから、原作「GO」を読むと同時にこの映画も見直してみようと思った。
ストーリー:杉原(窪塚洋介)は在日韓国人三世。少し前までは在日朝鮮人として朝鮮学校に通っていたが、父(山崎努)がハワイ旅行に行くため国籍を替えたのだ。それをきっかけに日本の高校を受験することにした杉原だったが、そこも居心地のいい場所ではなかった。ある日、友人加藤の誕生パーティに呼ばれた杉原は、個性的な女子高生・桜井(柴崎コウ)から声をかけられる。 冒頭のシーン、タイトルバックともにとってもインパクトがあって、そこから既に引き込まれる。2001年の作品だが、演技派の俳優さんがちょい役で次々と出てきてなかなか豪華。タクシー運転手の大杉漣、やくざの津田寛治、チョゴリを着た在日高校生の水川あさみなどなど。 脚本は宮藤官九郎だが、クドカン色を感じるというよりは原作に忠実なセリフが多い。行定監督は頼まれて監督をしたとインタビューで述べていたが、頼まれ仕事とは思えない質感がある。いずれにしても時を得て、パワフルでインパクトが強い作品となっている。 これは僕の恋愛に関する物語だ という前置きは、作品自体が沈み込まないための布石なんだろう。やはり、最初に見たときよりポジティブで、でもすさんでいなくて、やはり金城作品なんだなぁ。微妙なバランス感覚をもって作られているように思う。 父親役の山崎努は元プロボクサーという役柄。杉原相手に繰り出すパンチがスピーディで、さすが演技派!その山崎努は最近、崎の文字が﨑に変わっていて気になっていたが、この頃はまだ崎。いつから変えたのだろう? 『GO』2001年日本 脚本:宮藤官九郎 監督:行定勲 出演:窪塚洋介、柴崎コウ、山崎努、大竹しのぶ、山本太郎、塩見三省、新井浩文ほか 「GO」金城一紀著 講談社刊 2000年3月30日第一刷発行 #
by hikoso
| 2008-07-24 19:24
| 映画
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2008年 07月 22日
言葉が真実を言い当てられるなんて思っていないけれど、それでも言葉で伝えようとすることは素晴らしいんだと感じた一作。
ストーリー:北関東新聞記者の悠木(堤真一)が同僚・安西(高嶋政宏)と谷川岳登頂に出発しようとしていた8月12日夕方、県警付記者の佐山(堺雅人)が悠木の耳元で囁いた。「ジャンボがレーダーから消えたそうです」 ほどなくして共同通信のニュースが事故を告げた。東京発大阪行き日航ジャンボ機が群馬と長野の県境に墜落したらしい。急遽全権デスクを任された悠木は、事故の報道を巡るぶつかり合いの渦中に巻き込まれてゆく。 連日さまざまなニュースが飛び交ったあの8月―欠かさず目にしていた紙面の裏で映画のようなやり取りが行われていたとしたら・・・新聞っていったい何?と考えずにはいられない。公正な立場、視点からの記事づくりなんて果たして行われ得るのだろうか?やはり新聞や雑誌、人の書いたものなんて当てにならない、と。 でも、現場を目の当たりにした記者・佐山の書いた現場雑感には心動かされた。苦労して足を運び、目で見、体全体で感じる。その感じたことを文章に書き表し、他人に伝えようとすることは必要だ。真実を見据え、虚飾のない文章で表現できる人には憧れを感じる。 新聞のスクープを狙う姿勢はテレビ番組の視聴率競争にも似ていて、読む者(見る者)を扇動し同時に迎合しているように思える。その結果、真実のより深い追求や細部への配慮に欠けざるを得ないのでは?そんなものを追って何になるのだろう。悠木の信条である“チェック、ダブルチェック”は、ブレない新聞であるために不可欠なことだと思うのだが。 ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ 北関東新聞のモデルは、群馬の地方紙・上毛新聞。その一面はいつも全国レベルの大ニュースより群馬の話題だ。地元のスポーツ大会の結果やちょっとした催し物の様子なども載るので、我が家はいくら全国紙の勧誘員が来ても上毛新聞オンリー。そういえばずい分前だが読者のコーナーに投稿し、何度か掲載された(全国紙に比べ当然ながらぐんと載りやすい)。 ロケは前橋市内で行われた。本社に使われたビルはJR前橋駅から徒歩5分くらいの場所にある。またまたすぐ近くで撮ってたのに!!だ。気配も感じなかったわ。 それはさておき。今まで先延ばしにしてきたけれど、この夏できれば御巣鷹の尾根に登ってみたいと思う。あれから20数年、山は穏やかに時を刻んでいるのだろうか。 『クライマーズハイ』2008年日本 原作:横山秀夫「クライマーズ・ハイ」 監督:原田眞人 出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、遠藤憲一、山﨑努ほか (おまけ) ★群馬で起きた戦後の3大事件 *大久保清連続殺人事件 *連合赤軍・あさま山荘事件 *日航ジャンボ機墜落事故 ★群馬出身の首相 福田赳夫 中曽根康弘 小渕恵三 福田康夫 #
by hikoso
| 2008-07-22 22:22
| 映画
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2008年 07月 19日
初めてのお産は予定日より遅れることが多いと言われる。私の初出産は予定日11月12日のところ12月1日に出産、実に19日の遅れだった。2週間以上遅れると過期産というそうだ。
予定日前に産気づいた時どうするかは教えられたが、遅れたらどうなのかは調べもしなかった。日が経つにつれ胎盤が弱っていくのだそうで、のんきに構えていたことを深く反省した次第だ。そんなこともあり、3年も身ごもったままの状態を笑い話にできない気持ちが半分・・・ ストーリー:冬子(中島知子)は妊娠9ヶ月、大きなおなかを抱えて表情は虚ろだ。夫の徹(西島秀俊)はビリヤードに通いつめ、付き合っている女性もいる様子。そんな冬子の気持ちを察してか、子供は予定日を過ぎてもいっこうに生まれてくる気配を見せない。おなかはどんどん大きくなる一方。18ヶ月、27ヶ月・・・そしてついに3年の月日が流れた 妊婦の自分を放ったまま遊びに興じる夫に声を荒げるでもなく、外出する時は耳栓をして“世の中の情報を入れず、純粋な子供作り”につとめる冬子。中島知子の虚ろで動じない雰囲気がそこはかとなく怖い。 また冬子が間もなく臨月というのに遊んで帰宅し、廊下にズボンを脱ぎ散らかしながらそのまま床に入ってくる西島秀俊のコドモ野郎ぶりはかなりおかしい。 冬子は父親がなく、女ばかりの家族で育っている。「父親なんて重要じゃないものよ」という母や祖母の言葉を受けつつも、父に宛てて届かぬ手紙をしたためている彼女を見ながら、男親の存在理由って何だろう、と考えさせられる。自分の子供であるという実感を持てぬまま親になるってどうなんだろう?仮にDNA鑑定で「間違いなくあなたの子です」と証明されれば、父親の実感は得られるものなのかな。 赤ん坊は親も生まれる時も選べない。でもおなかの中で既に「なーんとなく生まれたくないなぁ」なんて思っているかもしれない。 「まだ出たくない」という意思表示をこんな形でされてしまったら、親もそれなりに反省しつつ、親になるための準備が十分にできるものだろうか。 子供が生まれても親が“大人”であるとは限らない。私自身もいまだ親としての自信を持ちかねている葛藤の日々。 はやく立派な大人になりたい~ 『三年身籠る』2005年日本 監督:唯野未歩子 出演:中島知子、西島秀俊、奥田恵梨華、木内みどり、塩見三省ほか #
by hikoso
| 2008-07-19 23:43
| 映画
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