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押し寄せる波
ゆっくり振り返る余裕もなく・・・というよりは、通院している間、考えないようにしていたのかもしれない。
死んだポッケのこと。仕事を辞めたこと。長年住んだ家を取り壊したこと。そして友人を亡くしたこと。 思いきり泣きたいのに、きっかけがない。 本当は涙も出ないほど、ドライなのだろうかと、自分の心を遠くから眺めてみる。 そうかもしれない。違うのかもしれない。どちらなのかよくわからない。分からないままにしておく。自分を責めても何にもならないから。でもー ポッケは生きたかったのだろう。 もっと面倒見てやりたかった。でもあと一日遅れていたら、私の左目はダメになっていた。ゴメン。引きかえにしてしまった・・・ 友人にとって私は、居心地良い存在だっただろうか。随分めんどくさいやつだったに違いない。申し訳ないことをした。でももう謝れない。 「終ったんだよ」 友人のお母さんが私になんどかそう言った。涙を見せず気丈にふるまうおばさんに危うさを感じながら、私の中に「終わった」という言葉が刻み込まれる。終わりは必ず来る。とてもさりげなく。 言葉も情景も感触も、不意に寄せてはまた引いてゆく。 揺れながら押し寄せる感情は、不発のまま消え去る。出し切れない不安定感が残り続ける。 そんな気持ちを抱えた私から、ポッケの鳴き声も、友の話し声も、少しずつ遠ざかってゆこうとしている。 申し訳ございませんが、記事に直接関係のないTB、コメントは削除させていただく場合があります。ご了承ください。 検索
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1 2017年 08月 22日
![]() 再果タヒの詩集、「夜空はいつでも最高密度の青色だ」をモチーフにした物語だ。 昼は看護師、夜はガールズバーで働く美香(石橋静河)と、工事現場で日雇い仕事をする慎二(池松壮亮)を軸に、二人をめぐる人達と、背景となる東京を描く。 池松壮亮だからこその、表現の深み― そして見慣れないのになぜか存在感を感じさせる石橋静河は、なんと石橋凌と原田美枝子の娘さんだそうで。これからどんな女優になっていくのか、注目したい。 どの世代の人も、それぞれのいる場所で、なにか漠然とした不安や危機感を抱きながら日々を過ごしている。もはや、平凡な幸せなどという「絵に描いた餅」さえも見失われてしまった。 人の死は、遠いようで実はとても近いところにある。そして、信頼できる人と出会えるかどうかは、宝くじを当てるように運任せ。 不確実性の時代、というコピーが頻繁に聞かれたのは、いつ頃だったか。 誰もが、いつ何が起こるかわからないという思いながらも、自分をだましだまし、やり過ごしている。今もまさに、不確実な時代なのだろう。 それでも・・・ それでも放り出さずに、投げやらずに、一瞬一瞬をすごし続ける。 よく生きるとは、そんなことなのかもしれない。 『夜空はいつでも最高密度の青色だ』2017年日本 原作:最果タヒ 監督・脚本:石井裕也 出演:石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグリン、松田龍平、田中哲司ほか ▲
by hikoso
| 2017-08-22 11:21
| 映画
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