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押し寄せる波
ゆっくり振り返る余裕もなく・・・というよりは、通院している間、考えないようにしていたのかもしれない。
死んだポッケのこと。仕事を辞めたこと。長年住んだ家を取り壊したこと。そして友人を亡くしたこと。 思いきり泣きたいのに、きっかけがない。 本当は涙も出ないほど、ドライなのだろうかと、自分の心を遠くから眺めてみる。 そうかもしれない。違うのかもしれない。どちらなのかよくわからない。分からないままにしておく。自分を責めても何にもならないから。でもー ポッケは生きたかったのだろう。 もっと面倒見てやりたかった。でもあと一日遅れていたら、私の左目はダメになっていた。ゴメン。引きかえにしてしまった・・・ 友人にとって私は、居心地良い存在だっただろうか。随分めんどくさいやつだったに違いない。申し訳ないことをした。でももう謝れない。 「終ったんだよ」 友人のお母さんが私になんどかそう言った。涙を見せず気丈にふるまうおばさんに危うさを感じながら、私の中に「終わった」という言葉が刻み込まれる。終わりは必ず来る。とてもさりげなく。 言葉も情景も感触も、不意に寄せてはまた引いてゆく。 揺れながら押し寄せる感情は、不発のまま消え去る。出し切れない不安定感が残り続ける。 そんな気持ちを抱えた私から、ポッケの鳴き声も、友の話し声も、少しずつ遠ざかってゆこうとしている。 申し訳ございませんが、記事に直接関係のないTB、コメントは削除させていただく場合があります。ご了承ください。 検索
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2008年 01月 10日
![]() 数年前、『WATARIDORI』というフランスのドキュメンタリー映画を見た。渡り鳥たちを数年間かけて追ったもので、観客が鳥の目線でみられるような、カメラワークの素晴らしい作品だったが、それを髣髴とさせる。ヨーロッパの人達はこういう映画を撮るのがうまいなあ、と思う。 内容はタイトルから連想されるとおり。日常の食卓にのる食物の出自をたどる、とでも言おうか。人の命を支える食物がどのように用意されるのかを描いている。 BGMや人の話(インタビューや解説など)はいっさいない。説明のための字幕も一切出てこない。ただ淡々と事実が画面に映し出される。食を支える仕事の全ての過程はシステムにのっとって黙々と進んでゆく。食になってゆく存在も、それを生み出す労働者たちも。 鶏、パプリカ、トマト、牛、りんご、豚、キャベツ、魚etc.シーンは紙芝居でもめくるように静かに移り変わる。画面の色の美しさに目を引かれる。白、赤、緑、黄色、茶色。 上の画像のシーンなど素晴らしい撮り方をするものだと唸ってしまった。 あたり一面を黄色に染めているひまわりの花畑、その上を飛ぶ飛行機。何かを撒布していることは分った。その飛行機が画面奥からこちらに向かって飛んで来る。もうもうと白い煙を撒き散らしながら近づいてくる機体に脅威を感じて思わずのけぞってしまった。 撒かれていたのは枯凋剤。ひまわりの種を効率よく収穫するために、自然に枯れるのを待たず薬で枯らしてしまうのだそうだ(枯葉剤とは異なるとのことだが)。 人は映画にドラマを求め、往々にして感情移入することを楽しもうとするが、ドキュメンタリーを見るときのスタンスはまったく違う。構えて見る。そうしないときつい現実に心をやられてしまうからだ。時にはもって行き場のない怒りを感じることもある。でも、本作ではいったい誰を責めることができるだろう・・・ とりあえず「同情心」は戸棚の高いところにしまって、なるべく感情を波立たせぬように見た方がいいかもしれない。ただ、だからといって避けようとしてはダメ。 毎日の食事のとき、天を仰ぎ心から感謝をこめること。それだけでも食のために生まれた生命が報われるというものだろう。 『いのちの食べ方』OUR DAILY BREAD(Unser taeglich Brot) 2005年オーストリア=ドイツ 監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター
by hikoso
| 2008-01-10 14:27
| 映画
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Comments(7)
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関係ないコメントですいません。
ご存知かもしれませんがテレビ朝日木曜日21時「交渉人」 に高岡蒼佑さんでています。
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見たあと、あまりのものすごさに、いまだに考えがまとまらないのですが
「素晴らしい映画を見た!」という感じが忘れられません。 訴えかけてくる内容と、あまりにもうつくしい画面が、とても力強い。 これは、今年の必見映画のひとつ、と思いました。 私もこれほどに過不足ない、きちんとした感想が書けたらなあ。。。 これからは見たらすぐ、(師匠が載せる前に)頑張って感想を書こう(←無理無理(^^;)) ![]() ![]()
グレちゃん、抑えて抑えて見ていたけれど、最後の牛の目を見たらやはり・・・でも順を追ってそこまでたどり着く、その描き方に節度があって心の準備をさせてくれているなあ、と感じました。
グレちゃん、いい映画をたくさん見てるね。私はシネマテークで上映されるからこうした作品を知るのですが、グレちゃんは自力でちゃんと押えてるところ、素晴らしいです!! ![]()
些細なことです。読んだら消して下さい。
dairy : daily, Brof : Brot (bread と 同根) (taglich : できましたら taeglich としていただけるとうれしいのですが。。) 「日々のパン」。。 稼ぐのが大変・・・ ![]()
ありがとうございました!
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boyさん、ご指摘ありがとうございました。パンフの文字が小さくて、しっかりみる手間を惜しんでしまいました。お恥ずかしい~
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