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2019年 01月 23日
例えば、高齢者と話していて、「まあ、ほどなくお迎えが来るだろうから」などとおばあちゃんが言ったとき、「そんなことおっしゃらず…」とか「まだまだ頑張っていただかないと」とか返してしまう。それってどうなんだろう?と心に引っかかっていた。 1月14日、いちばんの友だちに死なれて、痛感した。 人は死ぬんだ。 死ぬのは止められないんだ、と。 亡くなったその日もラインでやりとりをしていた。 午後7時9分彼女からライン、7時19分に私から返信。ところが既読がついてるのに返事来ない…「どうしたのかな」な状態で一夜を明かした。翌朝、ご主人からの電話で、彼女が死んだことを知った。 その日のうちに神奈川にある彼女の家に向かった。 葬儀社の一室で横たわった彼女の頬は冷たく、いくら温めようと触っても変わらなかった。 帰りの電車の中。気づくと涙が溢れていて、でも悲しいという実感が湧かない。 家で動きながら、気づくと「何が何だか、よくわからない」と呟いている。 死んだから悲しい そんな簡単なことではない。 良く面倒見てくれた叔父が30代で亡くなったときのことや、父が急逝したときのこと、祖母が亡くなったとき、そして猫のミクロ、犬のポッケが死んだときのこと それぞれ悲しみの形が違う。 叔父ががんで亡くなったとき私は思春期で、周囲の誰からもその死に触れてほしくないと思った。 父が急逝したときは、結婚してすぐ。私は臨月だったので、遺体に触れてはいけないと言われた。父の不在は大きく、何度何度も父の夢を見た。 祖母のときは、意識のない病床に数日寄り添いながら、人は少しずつ死んでいくのだな、と感じた。 猫のミクロが死んだときは、刻々と動けなくなっていく老いの縮図を垣間見、愛犬ポッケを看取りながら、介護の大変さに思いを馳せ、これは今後来るいくつもの看取りの練習なのだろうかと思った。 亡くなった友人とは、ほぼ毎日ラインのやり取りをしていたので、彼女の思いや日々の様子はよくわかっている。それを彼女の子どもたちに伝えてやりたいと思った。 私のところに連絡が届いたことに、本当に感謝している。たまたま、電話器の近くに私の出したはがきがあったそうだ。もし連絡が届かなければ、今も彼女が死んだと気づかないままだったかもしれない。最後の姿を見られただけでも幸せだった。 死んだ人が、自分の死後のあれこれを段取りして逝ったように感じることはよくある。父は、私が出産の里帰りをしているとき亡くなったが、亡くなる30分ほど前、仕事の合間にふらりと家に寄ったので、最後に話す機会を得られた。虫の知らせだったのだろうか。 今回、私に連絡が届くようにしてくれたのも、彼女の段取りだったのかもしれない。 明日で10日。 彼女が生きていた日々は、どんどん遠ざかっていく。 よく東京で待ち合わせをして、映画を観たり、美術展に行ったりした。急に誘っても、いつも断らず応じてくれた。そんな友人がいなくなってしまったことを、私の心は考えないようにしているみたい。自分の心をふと覗くと、そんなそぶりが見える。 悲しみのかたちは、彼女の夫、お母さん、3人の子どもたち、私以外の友人、それぞれみんな異なる。深さもそうだろうが、角度も。 違いの一つは距離。私は近しい友人ではあったが、毎日姿を目にし、生活を共にしていたのではない。だから、彼女の体がなくなってしまったことの実感が乏しい。その分、死の実感から少し遠いところにいるのかもしれない。 もう一つは年齢。 年によって、死の受け止め方はまったく違う。彼女も私も、平均寿命にはまだ遠いが、若い頃のように漠然と死を恐れる年でもない。 救いは、彼女がやり切ったと思えることだ。今は、彼女の家族にとっていちばん良いときだった。 彼女が死んだとは思わないようにしよう。死は決別ではないのだから。 多分、この先ずっと私は「あなたの分も」などと気負うことなく、彼女に語りかけていくと思う。 彼女の子どもたちにも伝えたい。 残された者には、どうしても悔いが残る。
悲しみは長く癒えないかもしれないけれど、彼女にとってこの先、君たちが生きていてくれさえすればそれで満足なのだ。 思い残しのない、至高の人生を送った友を、心から褒めたい。
by hikoso
| 2019-01-23 22:20
| 日々のくらし
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