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2006年 01月 23日
冒頭のシーンから画面の美しさが心をとらえる。デジタル・リマスター効果の素晴らしさなのだろう。まったく古さを感じさせない映像。
ストーリー:老婆が息子に電話をかけている。たらい回しされてなかなか本人にはつながらないのに、諦める気配はない。母の伝言をようやく聞いた男・サルヴァトーレ(ジャック・ペラン)は、「アルフレードが死んだ」というひと言に沈み込むように床に就く。彼の脳裏には幼い日の思い出が蘇ってきていた・・・ 中年男のサルヴァトーレがスクリーンに登場した時、これが主人公の少年の成人した姿なのだとひと目でわかる。グラビアページなどで見慣れたあの少年の面影がどこか残っているように見えるから。文字による説明もないのに、見るものが混乱することなくすんなり物語に入って行けるところがすごい。 そしてアルフレード役のフィリップ・ノワレ。姿も声もどこか馴染み深く、親しみを覚えるこの俳優の素晴らしさは言葉で言い表せない。フィルモグラフィを見ても彼の出演作は『追想』の1作しか見ていないはずなのだが・・・ 閉館までいよいよあと1週間を残すのみとなったテアトル前橋には、決してたくさんの、とはいえないまでも閉館を惜しむ観客(おそらくは年配客)がこの作品を見に来ており、前半は随所で笑が起こった。それがイヤでなかった。 子供たちと大人が同じ劇場で同じ作品を見ている映画館パラダイス。その館内の騒がしさは、芸術作品を鑑賞するというシチュエーションには程遠いけれど、小さな町の住人たちを結び付ける大事な場として機能している。 映画館のこうした賑わいが消えていった理由は、公共の場に足を運ばなくても個人の家に楽しみが運び込まれたから。映画を見ていると人が楽しいことをみんなで共有する習慣を失い、次第に排他的になってゆく過程を目の当たりにするようだ。この映画は、情報の過多が世の中を変えてしまったことをとても明確に教えてくれる作品でもある。 今まで、それは時代の流れで仕方のないことだと思ってきたが、もしかしたらそうした変化を緩やかにする手立てもあったのではないだろうかと感じたりして。もっと人間に知恵があり、先見の明があったら、「できる」ことも「しないでおく」賢さを発揮できただろうに。 テアトル西友が開館したのは1987年。映画館の衰退著しい時期をほんの少し越えて(いや、越えてはいなかったかも)、映画が生き残る道を模索している頃だっただろうか。 閲覧用の資料を見たら、87年当時前橋という町には8つのスクリーンがあった、とあり、そうだったろうかと感慨新た。 私が初めて友達同士で見に行った映画は小学生の頃。吉沢京子・小林桂樹主演の『父ちゃんのポーが聞こえる』だった。お小遣いを一所懸命ためて見に行ったのを今でも覚えている。それを上映した松竹電気館(だったかなあ)がいちばん最初に姿を消した。 中学校の映画教室で見たのは『ポセイドン・アドベンチャー』。校外学習として映画館で映画を見たのはそれが最初で最後。この作品のジーン・ハックマンが忘れられない。 そのあと、『エクソシスト』でオカルトの恐ろしさに沸き立ち、『エマニエル夫人』のポルノ性に騒然。しばらくして『宇宙船艦ヤマト』や『未知との遭遇』で宇宙ブームに。 私の中ではいつもハリウッド映画こそがいちばんだった。 地元の映画館が姿を消す。なくなってゆくものを人は惜しむが、そこが駐車場に姿を変えてしまえば何があったかも忘れ去られてゆく。 そこにあったものの確かな姿と温かい思い出は、人の心の中にしか残らない。 『ニュー・シネマ・パラダイス』NUOVO CINEMA PARADISO 1989年伊・仏合作 監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、プペッラ・マッジョほか
by hikoso
| 2006-01-23 19:04
| 映画
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Comments(8)
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ガオ
at 2006-01-23 22:10
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映画館で映画を観る・・
言葉もかわすことがない 見知らぬ人と同じ時間同じ場所で 同じものを観て、暗闇の中のなんともいえない つながりを勝手に感じてしまったものでした。 ほんとですね、なくなっていくものを 人は惜しむけれど、なくなってしまえば 何があったのか忘れてしまう。でも、心の中で 憶えていれば永遠なのかな?なんちって・・ (勝手に言って勝手に照れてみたり 笑)
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藍*ai
at 2006-01-24 00:10
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pannie at 2006-01-24 06:46
温かい気持ちにさせてくれますよね、この作品。
思い出の映画館をお持ちの 藍*ai さんは、きっとお幸せなんですよね。 (日本語が、やや変な気がしますが・・・気にせず) 『父ちゃんのポーが聞こえる』(!!!) 記念すべき、人生初大号泣作品です。 小学生の頃にテレビで観たと記憶しています。 これをスクリーンでご覧になっているんですね。 しかも、小学生で。 去年、何かのフェスティバルで上映されたんですよね・・。 父ちゃんが、ポーって鳴らすんです・・・・エーン><
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藍*ai
at 2006-01-24 09:20
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pannieさん
父ちゃんのポーをご存知でしたか!!え、去年上映されたの?かなりフィルムが古めかしかったことでしょうね。 “ポー 汽笛がこだまする”なんですよね。これが小学館の学年雑誌に紹介されていて、それをきっかけに友達と見に行くことに。後に劇までやった記憶が・・・
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grace@かいしゃ
at 2006-01-24 10:44
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くく~!!!
会社で「ケリちゃん@無間道」(シゴトしてるふりしてPC画面に向かうことを勝手にこう呼ぶ)をしてたのに・・・ 師匠の名文を読んで涙ぽろぽろざんす。 ある女優さんの 「映画はTVとちがって、どんな服を着て誰と見たかまで覚えていられる、 特別なものです」という言葉、ときどき思い出します。 ニューシネマパラダイス、近いうちに行く予定。 そのうち、「映画館に映画みにいく」てのが歌舞伎にいくぐらい 特別に手の届かないものになったりして(汗) シネコンがつぶれはじめたら、そんな時代も遠くないかも。 (やっぱり行ける間に行っておこう・・・ ←勝手に正当化)
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藍*ai
at 2006-01-24 21:00
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グレちゃん、「ケリちゃん@無間道」ほほ~~そういった手も・・・?たまにはね。いま、私のパソの壁紙がインファのケリーなので、思わずふふふ。
>やっぱり行ける間に行っておこう その言葉に弱い・・・あ、キョンキョン、ブルーリボン賞もおめでとう!
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ぐう
at 2006-01-24 21:33
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トラバありがとうございます。私もトラバさせていただきました。
「ニュー・シネマ・パラダイス」を観ていると映画に胸ときめかせた昔の自分を思い出します。 私も「父ちゃんのポーが聞こえる」を観ました!あーぶつかる!と思わず眼をぎゅっと閉じてしまったのを覚えています。
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藍*ai
at 2006-01-25 19:25
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ぐうさんもポーをご覧に?うれしいな。見ていらっしゃる方がいらしてほんとによかった。主人公が慕っていた年上のお兄ちゃん役の俳優さんを覚えていらっしゃいますか?あの方はたしか有名俳優さんの息子さんだったような・・・(と、マニアックな方へ。どうも失礼致しました)
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