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2016年 08月 05日
死刑の是非については、簡単に口にできるものではない。 何の落ち度もないのに、ただ運悪くそこに居合わせただけで、あるいは犯人に狙われて、命を奪われた被害者。その無念を思うと、犯人だけが生きのびていることには大きな矛盾を感じるからだ。 堅実に日々を暮らし、明日の自分を信じて生きていたはずの被害者をなおざりにするわけにはいかない。 しかし、そう思っていながらも、犯人に死刑の判決が出たとき、全く別の感情が生まれることも否定できない。被害者の側に立って物を考えようとしても、犯人の不幸な成育歴につい同情しそうになるし、死刑判決を「喜ぶ」ことは出来そうにない。 本作は、実際にあった無差別殺傷事件を題材にして、犯人の青年とその家族の「今」と「今まで」を織り交ぜながら描いている。 この家族は歪んでいる。確かに歪んではいるが、異常ではない。決して周囲とかけ離れた人たちではない。まずはそのことをしっかり見据えなければならないのだと思う。 小さなズレ、小さな歪みが、経年と共に修復のきかないものになっている。いつの間にか。それが日常生活の怖さなのかもしれない。どこから間違ってしまったのかと振り返っても、あそこからだと指摘などできない。 作中、食事のシーンがいくつも出てくるが、それはコンビニ弁当であり、店屋物であり、レストランである。異様なまでに、作られた家庭料理が登場しない。それでいて、父親が妻に向かい、「飯を作れ」と言ったりする。 そんな、食事の描き方に、監督の意志が感じられる。 私自身、料理がそうそう得意でなく、手抜きすることが多いだけに、今までの家族への食事提供について「申し訳ない」と感じていたりする。その、“痛いところ”を突かれた気がして、一層他人事ではないと思う。 人の感情はそのまま表には出てこない。悲しい人が、始終悲しい顔をしているわけもなく、犯罪者の息子を生み出してしまった家族が、いつも反省しているわけでもない。外側に出てこない人の内面を斟酌する難しさ・・・ 彼らの、表情なく日常を過ごす姿を見た第三者が、「反省のかけらも見えない」などと評することも実はおかしいことなのだ。しかし誰もそこを見ようとしない。邪悪なものを自分の周囲から排除したいと、それだけを願う。表出した一つだけ排除しても、変わりはしないのに。 生きることに何の展望もなく、一発逆転の末、世の中によって殺されたいと考え、殺傷事件を起こした二男・稔― リストラされながら誰にもそれを言えず、追い詰められてゆく長男・保。 死んでしまいたいと常々考えていても、そう簡単に死ぬことはできない。それでいて、生きたいと強く願っていてもそれが叶うわけではない。 神様は気まぐれ、としか言いようがない。 三浦友和、ほんのちょっとだけいい人に見える瞬間があった。新井浩文君、スーツ姿、コート姿がかっこよくて惚れた。 「葛城事件」2016年日本 監督・脚本:赤堀雅秋 出演:三浦友和、南果歩、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈ほか
by hikoso
| 2016-08-05 00:13
| 映画
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