ブログパーツ
最新の記事
最新のコメント
検索
カテゴリ
全体 香港・台湾・中国映画 香港・台湾・中国関連 韓国映画 韓国関連 映画 映画関連 無間道 頭文字D 香港 音楽・美術・舞台 TV番組・ドラマ・DVD 歴史 サントラ 本 ことば・文字 日々のくらし 懐かしワールド 剣道 観賞映画INDEX(中国・香港) 鑑賞映画INDEX(韓国) はんこ MEMO 眼科・病医院 未分類 以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2023年 12月 2023年 08月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 09月 more... タグ
網膜剥離(13)
術後眼内炎(9) 海堂尊(4) 白内障(3) シリコーンオイル抜去手術(2) ドクターヘリ(2) レーザー治療(1) HIBIKI 響(1) 後部硝子体剥離(1) 財津和夫(1) 樹木希林(1) 通信大学(1) 飛蚊症(1) 病院待ち時間(1) 後発白内障(1) TULIP(1) psycho-pass(1) sano ibuki(1) ウルトラセブン(1) スクーリング(1) 記事ランキング
ブログジャンル
|
2015年 01月 16日
子供の頃、母の万年筆を使おうとすると必ず叱られた。万年筆は箪笥のいちばん上の引き出しに入っていて、小学生の私は、椅子に乗ってその引き出しを探りこっそりそれを取り出す。万年筆は力の入れ具合やら、ペン先を紙に当てる角度やら、子供にはハードルの高い筆記具だった。
中学に入って、学習雑誌の成約プレゼントについてきたパイロット(プラチナだったかな?)の白い万年筆を使うようになった。インクの色はクロ。母の万年筆は青いインクで、どうも字が上手に見えない気がしたから。その万年筆のあとにどんな万年筆を使っていたか、なぜか全く覚えていない。 ”ちゃんとした1本”を買いに行き、専門店で勧められたのがセーラーの赤い万年筆。細身でペン先は14K。結構気に入っていて、いつも使っていたのだが・・・ 万年筆で書いた文字は、水にぬれると読めなくなってしまうから。書いたものが読めないのでは意味がない。折しも、優秀な水性ゲルインキペンが次々と出回り、安い値段で買えるようになった。筆圧の強い私には、力を入れても細く書けるこうしたペンの方が合っているような気がした。これも一因。こうして万年筆は引き出しの奥にしまい込まれ、20年以上の歳月が流れた。 それでも筆記具としての万年筆を礼賛する気持ちは変えがたく、いつも頭の片隅にあった。やはり万年筆かな、という思いがついに形に。 久々に手にした赤い万年筆は、沈黙したまま引き出しから現れた。お手軽に買えるペンとはあきらかに違った重み。キャップをあけてペンを走らせてみるが、当然のことながらインクは出ない。 そこで、セーラー万年筆取扱店である近くの文具店に持ち込んでみたところ、「大澤」という名札をつけた青年販売員が丁寧に応対してくれた。 コップに水を入れ、ペン先を浸すと、ほんの数秒で水が真っ黒に。ペン先の部分で古いインクが固まってしまっているのだ。大澤君は、コップの水を数回取り替えたあと、超音波式の洗浄機を使ってさらに洗ってくれた。 「ご自宅で同じように、水が汚れなくなるまで浸してみてください。それでもダメな場合は、メーカーに修理に出しますので、いつでもお持ちください」 なんと親切な。閉店間際に面倒事を頼む自分勝手な客に、嫌な顔一つせず対応してくれた大澤君、どうもありがとう! 帰宅後、コップにお湯を入れ、先ほど見たと同じようにペン先を浸す。 湯をかえること7~8回、ようやく黒いインクが滲みださなくなったのを見計らい、スペアインクを補充してみた。 書けた!! 20数年ぶりの万年筆。 文字を書くと、これまでの歳月使ってきたどの筆記具より、するすると気持ちよく書けることに驚く。たくさん書いても疲れない。それこそが、古の文豪が万年筆を愛用した最大の理由ではなかったか。 かくして、シルバー向きの筆記具であるこのペンとこの先仲良く歩んでいこうと思った次第。 今年は文字を、たくさん書くつもりだ。まずはこのペンで、『花燃ゆ』にあやかり吉田松陰の『留魂録』を書き写してみよう。
by hikoso
| 2015-01-16 14:33
| 日々のくらし
|
Comments(2)
Commented
by
Rita
at 2015-01-20 20:59
x
藍さん 今年もよろしくお願いいたします。
わたしもまさにまったく同じ万年筆(色違いの茶色ですが)が 最初の一本でした~! 文通から親しくなった相手から 「手紙は万年筆で。インクはブルーブラックがいいとおもうよ」と プレゼントされたものでした。 しばらく使ったのですけれど、手の大きな私にはいささか細身で… 太めのパーカーに浮気したまま放置され、忘れられてました。 藍さんの記事を読んで懐かしくなり 真似をして水洗いメンテナンスをしてみました。 水が澄むまで丸一日かかりました。。。 さて、、書けるのかな~? (でも、インクのカートリッジがありませぬ) 一年前、就職活動のエントリーシートを書く息子に、万年筆を勧めました。 息子は、デパートの文具売場に行って、最初の一本を買ってきたようです。 万年筆とか、時計とか、靴磨きのセットとか、 物語を感じさせるモノってありますね。 素敵な記事をありがとうございました。 長くなってすみません。
0
Commented
by
hikoso at 2015-01-21 23:33
Ritaさん、こんばんは。
今年もどうぞよろしくお願いします。 そうですか。茶色もあったのですね!? 「インクはブルーブラック」 その感性っていいですね。素敵な方が浮かんできます。 コメントを読ませていただきながら、改めて万年筆って特別なんだなと思いました。 万年筆で書くことには、やはりお手軽なペンで書くのとは違う、覚悟やら風格やらが乗っかっていますね。 私も娘に、万年筆を勧めてみようと思います。 藍*ai
|
ファン申請 |
||