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2012年 08月 08日
要約筆記の派遣にでるようになりはや5年を数える。この間に、要約筆記の社会的な位置づけ、手書きとパソコンの比重などが刻々と変化してきた。
派遣先は様々だが、多いのは要約筆記者との接点が多い中途失聴・難聴者協会の会議。ろう者や難聴者の参加する講演や大会に行くこともある。個人派遣はまだまだ少ない。 私は今まで、個人派遣の要請が少ないのは要約筆記の存在がまだ広く認知されていないからだと思っていた。派遣には費用がかかるため、行政もあまり積極的に広報しないのではないかと。でもそれだけではなさそうだ。 例えば要約筆記の信頼性の問題。 現在、手話と異なり要約筆記には資格制度がない。講習の受講のみで現場出動している。つまりは現場に派遣される要約筆記者のレベルがいかほどのものかはかりにくいということだ。 そのレベルをはかるのは誰?派遣を受ける難聴者は、聞こえないために話者の話した内容と要約筆記者の書いた内容が合っているかどうか検証することができない。となると評価は要約筆記者相互で行うしかない場合も多い。しかし仲間内で厳しく評価しあうことがきちんとできるものだろうか。それは容易なことではないかもしれない。 要約の仕方については迷うことしきり。 なるべくたくさんの情報を伝えようと必死で速く書こうとすると字が乱れる。さほど情報を盛り込まずとも美しい文字で悠々と書く人の方が読み手(特に年配者)には読みやすいのではないかと自信がなくなる。読みやすく(=文字が美しい、大きい)しようと思えば情報量が限られてしまうという矛盾―利用者自身がどの程度をもってよしとするか判断しにくいという現実に、どうすることが最善なのか迷うことも多い。 パソコン要約筆記では、キーボード入力の速度が速ければ話者の話すことをほぼすべて表出できるのだそうだ。話者の話したとおりに文字化できれば、あとは読み手の自己判断で内容を理解してもらえるだろう。もし私自身が聞こえなくて要約筆記を頼むとしたら、この方法でなるべくたくさんの情報をいただきたいと思う。 でもそれは要約筆記ではない。 パソコンの場合は、話の内容を要約するというより、いかに整合性のあるそぎ落としをできるかが重要になってくるような気がする。 「話者の話すことをできる限り忠実に再現して欲しい」 それは、聴覚障害者に対する通訳のみならず外国語通訳をしてもらう場合においても同じだと思う。 しかし、逆に言えば、通訳というフィルターを介在させた時点で、話者の意図は通訳が受け取った意図に形を変えざるを得ないのだ。つまり通訳者が、話者の言わんとすることをいかに正確に読み取るかが大きなポイントとなる。 通訳者は音声として聞こえる情報を書き取るのが仕事だけれど、うまくまとめる、読みやすくかつ速く書く、話者が本当に言いたいことを的確に把握する、話題に登場する事柄の背景に知識がある、等々非常に高度なものを内包していなければならない。 通訳にそれだけのものが要求されてしまうと、当然のことながらそれに叶う通訳者になりうる能力を持った人は限られてくる。適格な通訳者ばかりではない現状の中で、要約筆記通訳は今後も迷走し、試行錯誤を重ねることになるかもしれない。その期間をいかに短くし、利用者の益になるよう整備できるかが大きな課題だ。
by hikoso
| 2012-08-08 08:08
| ことば・文字
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