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2008年 11月 25日
書店の文庫コーナーをブラブラしていると、
あれも読みたいこれも読みたいしかし家には読んでない本がどっさりあって困っちゃうなでも今買っとけば死ぬまでにはよめるだろうそうだ廃刊にならないうちに買っとかなくちゃ 頭の中で毎回こんなフレーズが駆け巡る。その日は講談社文庫の吉川英治著「三国志第1巻」、宮尾登美子著「天璋院篤姫(上)」あたりを買うつもりでいたのだがやめて、ふと目に止まったこの本を買うことにした。 物語は一人のサラリーマンが出張で飛行機に乗る直前の心境描写から始まる。彼は空港へ向かう途中、とある駅で声をかけてきた占い師の老人から「この旅行は気をつけないとね」と言われたのだ。もともと気の進まない出張だったこともあり、彼の葛藤が始まる・・・ それが電車だったら、ひと電車遅らせることもできそうだが、飛行機ではそうはいかない。乗らない訳にはいかないけれど、その胸騒ぎをどうするの!?飛行機は落ちる。船は沈む。ああ・・・ 以前、オーストラリア旅行当日の朝、コンタクトが片方なくなったり、玄関の電球がいきなり切れたりして不吉な予感におののいたことがあった。「もしかしたら飛行機が落ちるのかもしれない~~」生きた心地もせぬまま乗った行きの飛行機は無事オーストラリアの空港に到着した。 旅行自体は楽しいものだった。それでも不安はおさまらず、もしかしたら帰りの飛行機が落ちるのか!?とオーストラリアで自宅宛に絵葉書を一枚出した。万一の場合の遺言がわりに。無事帰国したあと、もう飛行機には乗るまいと決めた。その決心は香港明星を思うようになって一気に吹き飛んでしまったけれど。 話が大分それてしまった。 飛行機がらみの導入部分に釣られて買ったのだが、本当のおもしろさは今まで知らなかった易について興味をそそられる内容となっていることだ。 易は中国古典、四書五経のひとつである「易経」をもとにした運命学なのだそう。どんな結果が出るかと恐れおののく、というようなレベルを超えて中国三千年の歴史を背景にした説得力をもつ世界の話に思える。巻末には陰陽や八卦の意味、易の見方などについて分りやすい解説もあって興味深い。 飛行機と同じくらい占いがキライな人でも、この本を読むとちょっと受け止め方が変わるかもしれない。 『駅神』図子慧著 ハヤカワ文庫刊 2008年9月25日発行
by hikoso
| 2008-11-25 21:12
| 本
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